医療費控除計算【簡単シミュレーション】2025年最新版:返金額が分かる

この記事でわかること:

  • 1医療費控除の基本的な仕組みと対象となる医療費
  • 2医療費控除額の正確な計算方法
  • 3所得別の還付金額シミュレーション
  • 4確定申告での医療費控除の申請手順

医療費控除計算ツール:簡単シミュレーション

以下の計算ツールを使って、あなたの医療費控除額と還付金額をシミュレーションしてみましょう。実際の金額は税務署での確定申告時に正確に計算されます。

医療費控除計算機

医療費控除計算ツール

以下の情報を入力して、あなたの医療費控除額と還付金額を計算しましょう。

昨年1年間に支払った医療費の合計額を入力してください

生命保険や健康保険から支給された金額

源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」など

あなたの所得に適用される税率を選択してください

計算結果

左の項目を入力して「計算する」を押してください

医療費控除とは?基本的な仕組みを解説

医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税と住民税の負担を軽減するための制度です。自分自身や生計を一にする家族のために支払った医療費が対象となります。

医療費控除を受けるための基本的な条件は以下の通りです:

1

1年間の医療費が10万円を超えること(所得が200万円未満の場合は所得の5%を超えること)

2

所得税を納めていること

3

医療費の支払いが自分または生計を一にする家族のためであること

4

確定申告を行うこと(年末調整では適用されません)

医療費控除を受けることで、10万円(または所得の5%)を超えた医療費の金額に応じて、所得税と住民税が軽減されます。これにより、支払った税金の一部が還付金として戻ってくることになります。

医療費控除の対象となる医療費

医療費控除の対象となる医療費には、以下のようなものがあります:

病院・診療所での診療費

内科、外科、歯科などの医療機関で支払った診察料や治療費

医薬品の購入費

医師の処方箋により購入した医薬品や、市販薬(OTC医薬品)の購入費

通院・入院のための交通費

電車、バス、タクシーなどの公共交通機関を利用した場合の交通費(自家用車のガソリン代は対象外)

入院時の食事代や差額ベッド代

入院中の食事療養費の自己負担額や、差額ベッド代(一部制限あり)

出産にかかる費用

正常分娩による出産費用も医療費控除の対象(出産育児一時金等を差し引いた額)

治療のための医療器具の購入費

医師の指示による義手、義足、松葉杖、補聴器などの購入費

医師等による診療等を受けるための滞在費

治療を受けるために必要な宿泊費(1泊1万円が上限)

介護保険サービスの自己負担額

指定介護老人福祉施設の利用料のうち医療費に相当する部分など

医療費控除計算の対象にならない費用

健康診断や人間ドックの費用

ただし、健康診断の結果、重大な疾病が発見され治療を受けた場合は対象

美容整形やエステティック費用

美容のみを目的とした医療サービスは対象外

健康維持のためのサプリメント代

医薬品に該当しないサプリメントや健康食品は対象外

通院の際のガソリン代

自家用車のガソリン代は対象外(公共交通機関の交通費は対象)

医療目的でない歯科治療

審美目的のホワイトニングなど医療目的でない歯科治療は対象外

保険適用外のコンタクトレンズ

カラーコンタクトなど医療目的でないものは対象外

医療費控除計算方法:ステップバイステップ

医療費控除額の計算は、以下の流れで行います:

1

年間の医療費総額を集計する

1月1日から12月31日までの間に実際に支払った医療費の合計額を計算します。家族全員分の医療費も含めることができます。

領収書やレシートを日付順に整理しておくと便利です。

2

保険金などで補てんされる金額を確認する

生命保険や健康保険から受け取った給付金、高額療養費、出産育児一時金などの金額を確認します。これらは医療費総額から差し引きます。

3

基準額(最低限度額)を計算する

基準額は以下のいずれか少ない方になります:

  • 10万円
  • 所得金額の5%

例えば、所得金額が180万円の場合、5%は9万円となり、10万円よりも少ないので、基準額は9万円になります。

4

医療費控除額を計算する

計算式:医療費控除額 = 支払った医療費の合計額 - 保険金などで補てんされる金額 - 基準額

ただし、医療費控除額の上限は200万円です。

5

還付される税金の金額を計算する

医療費控除額に所得税率をかけることで、還付される所得税の概算額がわかります。また、住民税は医療費控除額の約10%が軽減されます。

所得税率は所得金額によって5%~45%まで段階的に変わります。

計算例

例1:所得400万円のケース

年間の医療費総額:
250,000円
保険金等の補てん額:
30,000円
基準額(10万円):
100,000円
医療費控除額:
120,000円
250,000円 - 30,000円 - 100,000円 = 120,000円
所得税率(20%):
20%
所得税還付額:
24,000円
120,000円 × 20% = 24,000円
住民税軽減額:
12,000円
120,000円 × 10% = 12,000円

例2:所得150万円のケース

年間の医療費総額:
180,000円
保険金等の補てん額:
20,000円
基準額(所得の5%):
75,000円
1,500,000円 × 5% = 75,000円(10万円より少ない)
医療費控除額:
85,000円
180,000円 - 20,000円 - 75,000円 = 85,000円
所得税率(5%):
5%
所得税還付額:
4,250円
85,000円 × 5% = 4,250円
住民税軽減額:
8,500円
85,000円 × 10% = 8,500円

医療費控除計算でいくら戻る?所得別の還付金額シミュレーション

以下の表では、医療費と所得金額ごとの還付金額(所得税還付額)の目安を示します。実際の金額は、他の所得や控除の状況によって異なります。

年間医療費
(保険金等補てん後)
所得150万円
(税率5%)
所得400万円
(税率20%)
所得800万円
(税率23%)
15万円 3,750円
(150,000-75,000)×5%
10,000円
(150,000-100,000)×20%
11,500円
(150,000-100,000)×23%
30万円 11,250円
(300,000-75,000)×5%
40,000円
(300,000-100,000)×20%
46,000円
(300,000-100,000)×23%
50万円 21,250円
(500,000-75,000)×5%
80,000円
(500,000-100,000)×20%
92,000円
(500,000-100,000)×23%
100万円 46,250円
(1,000,000-75,000)×5%
180,000円
(1,000,000-100,000)×20%
207,000円
(1,000,000-100,000)×23%
200万円以上 96,250円
(2,000,000-75,000)×5%
380,000円
(2,000,000-100,000)×20%
437,000円
(2,000,000-100,000)×23%

表中の金額は所得税の還付額のみの目安です。さらに住民税も医療費控除額の約10%が軽減されます。

確定申告で医療費控除計算の申請方法

医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。以下の手順で申請してください:

1

必要書類を準備する

  • 確定申告書(第一表・第二表)
  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票(給与所得がある場合)
  • マイナンバーカードまたは通知カード(コピー)と身分証明書

平成29年分の確定申告から、領収書の提出は不要になり、代わりに「医療費控除の明細書」の提出が必要になりました。ただし、領収書は自宅で5年間保管する必要があります。

2

医療費控除の明細書を作成する

医療費控除の明細書には、以下の情報を記入します:

  • 医療を受けた人の氏名
  • 病院・薬局などの支払先の名称
  • 医療費の区分(診療・治療、医薬品購入、交通費など)
  • 支払年月日および支払金額
  • 保険金などで補てんされる金額

国税庁のウェブサイトからダウンロードできる「医療費控除の明細書」の様式を使用すると便利です。

3

確定申告書に記入する

確定申告書の「医療費控除」の欄に、計算した医療費控除額を記入します。また、所得や所得控除、税額等も記入します。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って入力するだけで、申告書を作成できます。

4

申告書を提出する

作成した確定申告書と添付書類を、以下のいずれかの方法で提出します:

  • 税務署に直接持参
  • 郵送で税務署に送付
  • e-Taxを利用した電子申告

確定申告期間(毎年2月16日~3月15日)は税務署が混雑します。早めに申告するか、e-Taxの利用をおすすめします。

5

還付金の受け取り

申告が受理されると、申告書に記載した口座に還付金が振り込まれます。通常、申告してから1~2ヶ月程度で振り込まれます。

還付金の振込状況は、e-Taxで申告した場合は「メッセージボックス」で確認できます。郵送や持参の場合は、税務署に問い合わせることで確認できます。

医療費控除計算に関するよくある質問

A はい、条件を満たしていれば毎年申請できます。1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超えるたびに申請できます。

A 確定申告期間内(毎年2月16日~3月15日)に申告する必要があります。ただし、還付申告の場合は、医療費を支払った年の翌年から5年間申告が可能です。

A はい、生計を一にする家族(配偶者、子供、親など)の医療費は合算して申告できます。ただし、別居している家族でも生計を一にしていると認められる場合は対象になります。

A 平成29年分の確定申告から、領収書の提出は不要になり、代わりに「医療費控除の明細書」の提出が必要になりました。ただし、医療費の領収書は自宅で5年間保管する必要があります。税務署から求められた場合には提示する必要があります。

A いいえ、医療費控除とセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は同一年に併用することはできません。どちらか一方を選択する必要があります。医療費の金額が多い場合は通常の医療費控除、市販薬(OTC医薬品)のみの購入で金額が少ない場合はセルフメディケーション税制が有利な場合があります。

A 医療費控除は所得税だけでなく住民税にも適用されます。確定申告で医療費控除を申請すると、自動的に住民税の計算にも反映されます。住民税は一律10%程度の税率なので、医療費控除額の約10%が住民税から軽減されます。ただし、住民税の軽減は翌年度(6月以降)の住民税に反映されます。

まとめ:医療費控除計算で還付金を最大化するポイント

医療費控除は、医療費の負担が大きい方にとって重要な節税制度です。効果的に活用するためのポイントをまとめました:

領収書や明細書は整理して保管する

日付順、医療機関別など分かりやすく整理しておくと便利です

家族全員の医療費を合算する

生計を一にする家族の医療費はまとめて申告できます

交通費も忘れずに計上する

通院や入院のための公共交通機関の交通費も医療費に含まれます

e-Taxを活用する

オンラインで申告すれば、税務署に行く手間が省けます

他の所得控除とも組み合わせる

医療費控除と他の控除(社会保険料控除、生命保険料控除など)を併用するとさらに節税効果が高まります

マイナンバーカードを活用する

マイナンバーカードを使ったマイナポータル連携で、医療費情報を自動入力できる場合があります

医療費控除を適切に活用することで、家計の負担を軽減できます。この記事で紹介した計算ツールを使って、ご自身の還付金額をシミュレーションしてみましょう。不明点がある場合は、お近くの税務署やプロの税理士に相談することをおすすめします。

※本記事の内容は2025年4月時点の情報に基づいています。税制改正により内容が変更される場合がありますので、最新情報は国税庁のウェブサイトなどでご確認ください。

※個別の税務相談については、税理士などの専門家にご相談ください。

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