【2026年最新版】年金にかかる税金一覧・早見表:確定申告の要否も解説
年金にかかる税金一覧と早見表【2026年版】
この記事でわかること:
- 1年金から差し引かれる税金・保険料の一覧(所得税・住民税・社会保険料)
- 2年金額別の税金早見表(150万〜300万円、65歳未満・65歳以上)
- 3公的年金等控除の仕組みと控除額の一覧表
- 4確定申告不要制度:申告がいらない条件と、しないとどうなるか
- 5年金をもらいながら働く場合の税金と確定申告
「年金にも税金がかかるの?」——答えは「一定額を超えるとかかる」です。公的年金は税法上「雑所得」として扱われ、所得税と住民税の対象になります。ただし公的年金等控除という年金専用の大きな控除があるため、年金だけで暮らす多くの方は税金がゼロ、もしくはごく少額です。この記事では、まず早見表で自分の年金額にかかる税金の目安を確認し、そのあと仕組みと確定申告の要否を解説します。
年金にかかる税金・保険料の一覧
年金の「額面」と「手取り」の差は、次の4つの天引き(または納付)で生まれます。
| 項目 | 内容 | かかる条件(目安) |
|---|---|---|
| 所得税+復興特別所得税 | 国税。税率5〜45%+復興特別所得税2.1%。年金からの源泉徴収で前払い | 65歳未満:年金108万円超 65歳以上:年金158万円超(扶養親族等申告書提出時の源泉徴収の目安) |
| 住民税 | 地方税。前年の所得×10%+均等割5,000円。年金からの天引き(特別徴収)が原則 | 65歳以上:年金155万円超 65歳未満:年金105万円超(単身・1級地) |
| 国民健康保険料/後期高齢者医療保険料 | 税金ではなく保険料。所得に応じて計算され、年金から天引きされることが多い | 原則全員(金額は所得と自治体による) |
| 介護保険料 | 65歳以上は年金天引きが原則。所得段階別の定額 | 65歳以上全員(年金18万円以上で天引き) |
遺族年金・障害年金は非課税です。所得税も住民税もかかりません。この記事の対象は老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金など)です。
年金税金早見表:年金額別の所得税・住民税【2026年版】
65歳以上・年金収入のみ・単身の場合の目安です。社会保険料(国保・介護保険料)を年金額の約6〜8%と仮定し、社会保険料控除を反映しています。
| 年金収入(年額) | 所得税(年額) | 住民税(年額) | 税金合計(目安) |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 0円 | 0円(非課税) | 0円 |
| 180万円 | 約6,000円 | 約2.0万円 | 約2.6万円 |
| 200万円 | 約1.5万円 | 約3.8万円 | 約5.3万円 |
| 220万円 | 約2.4万円 | 約5.6万円 | 約8.0万円 |
| 250万円 | 約3.8万円 | 約8.4万円 | 約12.2万円 |
| 300万円 | 約6.2万円 | 約13.1万円 | 約19.3万円 |
65歳未満(公的年金等控除が最低60万円と小さい)の場合の目安:
| 年金収入(年額) | 所得税(年額) | 住民税(年額) |
|---|---|---|
| 100万円 | 0円 | 0円(非課税) |
| 150万円 | 約1.4万円 | 約3.7万円 |
| 200万円 | 約3.3万円 | 約7.4万円 |
※ 単身・基礎控除+社会保険料控除のみの概算です。配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除などを適用すれば税額はさらに下がります。ご自身の条件で計算したい方は年金受給者の住民税シミュレーションをご利用ください。
公的年金等控除とは?控除額の一覧表
公的年金等控除は、年金収入から差し引ける年金専用の控除です。給与所得者の「給与所得控除」の年金版と考えるとわかりやすく、65歳以上は最低110万円、65歳未満は最低60万円が保証されています。
計算式:年金の雑所得 = 年金収入 − 公的年金等控除
| 年金収入(年額) | 65歳未満の控除額 | 65歳以上の控除額 |
|---|---|---|
| 130万円以下 | 60万円 | 110万円 (330万円以下) |
| 130万円超 330万円以下 | 収入×25%+27.5万円 | |
| 330万円超 410万円以下 | 収入×25%+27.5万円 | |
| 410万円超 770万円以下 | 収入×15%+68.5万円 | |
| 770万円超 1,000万円以下 | 収入×5%+145.5万円 | |
| 1,000万円超 | 195.5万円(上限) | |
※ 年金以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合の控除額です。1,000万円超の場合は控除額が10万〜20万円縮小します。
例:68歳・年金収入200万円の場合
雑所得 = 200万円 − 110万円 = 90万円。ここから基礎控除や社会保険料控除を差し引いた課税所得に、所得税(5%〜)と住民税(10%)がかかります。詳しい住民税の仕組みは住民税計算シミュレーションで確認できます。
確定申告は必要?「確定申告不要制度」の条件
年金受給者には確定申告不要制度があり、次の2つの条件を両方満たせば所得税の確定申告は不要です。
1公的年金等の収入が400万円以下
複数の年金(老齢基礎+老齢厚生+企業年金など)の合計額で判定します。
2年金以外の所得が20万円以下
給与・個人年金・不動産・株式などの所得の合計が20万円以下であること。
重要な落とし穴:確定申告が不要でも、住民税の申告は別です。年金以外の所得が1円でもあれば(20万円以下でも)住民税の申告が必要になる場合があります。また、申告不要でも「申告した方が得」なケース(下記)が多くあります。
申告不要でも確定申告をした方が得なケース
- 医療費が多くかかった:医療費控除で源泉徴収された所得税が還付されます。計算は医療費控除計算シミュレーションで。
- 生命保険料・地震保険料を払っている:源泉徴収では反映されない控除です。
- ふるさと納税をした:寄附金控除の適用に申告(またはワンストップ特例)が必要です。
- 年の途中で扶養状況が変わった:配偶者控除・扶養控除の反映。
- 災害・盗難にあった:雑損控除。
申告に必要な書類は確定申告の必要書類完全ガイドにまとめています。
年金受給者が確定申告しないとどうなる?
「申告しないとどうなるのか」はケースによって結果が正反対です。
① 申告不要制度の対象者が申告しない場合
→ ペナルティは一切ありません。ただし、医療費控除などによる還付金を受け取り損ねる可能性があります。還付申告は5年前までさかのぼれるので、気づいた時点で申告すれば取り戻せます。
② 申告義務があるのに申告しない場合
→ 年金400万円超、または年金以外の所得20万円超なのに申告しないと、無申告加算税(原則15〜30%)や延滞税が課される可能性があります。働きながら年金をもらっている方は特に注意してください。
※ 申告義務があるかわからない場合は、お近くの税務署に相談するのが確実です。当サイトの税務署一覧から管轄の窓口を探せます。
年金をもらいながら働く場合の税金と確定申告
年金を受け取りながらパートや再雇用で働く場合、年金の雑所得と給与所得の両方に税金がかかります。ポイントは次の3つです。
- 1 給与所得が20万円を超えると確定申告が必要。給与収入に換算すると年75万円超(給与所得控除55万円を差し引いて20万円超)が目安です。
- 2 年金と給与のそれぞれで源泉徴収されるため、確定申告で精算すると還付になることが多い。両方の源泉徴収で基礎控除が重複適用されない仕組みのため、払いすぎになりがちです。
- 3 在職老齢年金に注意。60歳以降に厚生年金に加入して働く場合、給与+年金の月額が一定額を超えると年金の一部が支給停止になります(これは税金ではなく年金制度側の調整です)。
計算例:年金200万円+パート給与100万円(68歳)
年金の雑所得90万円+給与所得45万円=合計所得135万円。ここから社会保険料控除・基礎控除を差し引くと、所得税約3万円+住民税約7万円が目安です。給与が20万円超の所得になるため確定申告が必要です。
年金受給者の節税ポイント
医療費控除を忘れずに
年間の医療費が10万円(所得200万円未満なら所得の5%)を超えた分は控除できます。通院・入院・薬代・介護サービスの一部も対象です。高齢の方ほど適用できる可能性が高い控除です。
配偶者控除の活用
配偶者の所得が48万円以下(年金収入なら65歳以上で158万円以下)なら配偶者控除が使えます。扶養親族等申告書の提出で源泉徴収段階から反映されます。
非課税ラインの意識
65歳以上・単身なら年金155万円以下で住民税非課税です。非課税世帯には各種給付金や保険料軽減などのメリットもあります。繰下げ受給を検討する際はこのラインも考慮しましょう。
年金の税金に関するよくある質問
Q 年金はいくらまで税金がかかりませんか?
65歳以上・単身・年金収入のみなら、所得税は約158万円以下、住民税は155万円以下が目安です。65歳未満はそれぞれ約108万円・105万円以下です。配偶者を扶養していれば非課税ラインはさらに上がります(いわゆる211万円ルール)。
Q 年金から税金が天引きされているのに、さらに確定申告が必要ですか?
年金400万円以下かつ他の所得20万円以下なら申告不要です。天引き(源泉徴収)はあくまで概算の前払いなので、医療費控除などがある場合は申告すると還付を受けられます。
Q 遺族年金や障害年金にも税金がかかりますか?
かかりません。遺族年金・障害年金は所得税・住民税ともに非課税です。確定申告不要制度の400万円の判定にも含めません。
Q iDeCoや企業年金の受け取りにも税金がかかりますか?
年金形式で受け取る場合は公的年金等に含まれ、公的年金等控除の対象です(=400万円判定にも含む)。一時金で受け取る場合は退職所得扱いになり、退職所得控除が使えます。
Q 住民税はどうやって納めますか?
65歳以上で年金が年18万円以上の方は、原則として年金からの天引き(特別徴収)で納めます。年6回の年金支給時に差し引かれるため、納付の手続きは不要です。詳しい計算は年金受給者の住民税シミュレーションでどうぞ。
まとめ:年金の税金は「控除」を知れば怖くない
年金にかかる税金は、公的年金等控除(65歳以上110万円・65歳未満60万円)のおかげで、多くの方にとって少額です。65歳以上・単身なら年金155万円までは住民税非課税、200万円でも税金合計は年5万円程度が目安です。
確定申告は「年金400万円以下+他の所得20万円以下」なら不要ですが、医療費控除などがあれば申告した方が得です。働きながら年金をもらう方は給与所得20万円超で申告義務が生じる点に注意してください。
関連記事:年金受給者の住民税シミュレーション(自分の年金額で計算)/住民税早見表(給与所得者向け)/住民税計算シミュレーション(詳細な対話型ツール)
※本記事は2026年(令和8年度)時点の税制にもとづく概算です。最新情報は国税庁・日本年金機構・お住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。
※個別の税務相談については、税理士など専門家にご相談ください。



